私はシステムエンジニアを20年以上続けています。先日Twitterのフォロワーの方から、同じように20年近くシステムエンジニアを続けていてメンタル不調になり、向いているのかと考えるというお話を聞きました。
システムエンジニアの仕事は向いていないと考える人が多い職種だと思います。
それはなぜか?本当に向いていないのか?を私のキャリアを公開しながら書いていこうと思います。
向いていないと思っている方、ちょっと立ち止まって読んでみていただければと思います。
20年続けた私のキャリアで向いていないと考えたこと
20年以上システムエンジニアをやっていて、何回も向いていないのでは?と考えました。
でも、今では向いていないとは思いません。それはなぜかをここに書きたいと思います。
プロフィールにも書きましたが、1998年4月に新卒で中小企業に就職しました。入社当初EXCELもまともに使えない状態で、プログラミング言語はC言語、それ以外にDBとしてOracleを学びました。
OSは基本的にUNIXでの開発が多く、Windowsでの開発はあまりせず、バッチ処理や処理系の開発メインで画面を作成するなどの経験が浅いです。(それは今も変わりません。)
向いていないと感じたことの大きな要因は以下のような時です。
- 自分の持っているスキルでまったく太刀打ちできなかった時
- 周りの人がすごくできると思って打ちひしがれた時
- やったことがないことが多かった時
- ひたすら叱られ続けた時
それぞれ解説します。
自分の持っているスキルでまったく太刀打ちできなかった時
私は元々バッチ処理や内部処理を作成することがメインの技術者だったのですが、次に行く現場がそのスキルの中でUNIX操作以外なんの関連性もない現場に行かされた時です。
まず、話を聞いてもピンとこない。設計書を見ても自分がやってきた領域と違ってどうすべきなのかのイメージがつかないということが多く、毎日ダメな自分を責め続けていました。
仕事のイメージがつかないんです。当時教えてくれる人がだいぶ酷い人だったので、これは向いていないのでは?と本気で思いました。その現場の詳細は以下をご覧ください。

周りの人がすごくできると思って打ちひしがれた時
これはかなり若い時ですが、あるプロジェクトで自分よりできる人が多い現場に配属された時のことです。
自分の同世代ができる人が多かったこともあり、本当に自分は役に立たないなと思って打ちひしがれたました。
特に仕事ができないという烙印を押されたり、比較されてダメだと言われたわけではないのですが、日々仕事をしながら向いてないんじゃない?と思っていました。周りはみんなこの仕事に向いているのだと。
この環境にいて、できない自分を見せつけられているようで、しんどく向いていないと感じたのを覚えています。
やったことがないことが多かった時
これは1つ目に近いことであるのですが、違いはキャリアを積んでいけばやらないといけなくなること(と思っていたこと)ができなかった時です。
私の場合が、要件定義と大き目の見積。システムエンジニアの仕事をしていてキャリアを積んでいくと、上流工程と呼ばれる工程がやることがでてきます。
工程として一般的なのは、
要件定義→外部設計→内部設計→(プログラミング→単体テスト)→結合テスト→総合テスト→リリース
を上から実施していきます。()でくくった部分から経験を積んで、徐々に広げていくのが一般的なキャリアの積み方の一つです。
私の場合、外部設計を少しかじったくらいでいきなり要件定義の実施を振られ、自社の先輩社員がいない状況だったこともあり、どこから手を付けていいのかもわからず、作業をしていた時期があります。
加えて、その要件定義後の工程にどのくらいの作業量があるのかの見積でめちゃくちゃ苦労しました。
見積については、いろいろなやり方があり、私が当時知っていたのは、プログラムをベースにしてどのくらいで作成できるのかを1本ずつ見積もっていくやり方のみ。
要件定義時点で何本のプログラムを作成するのかなんて明確にわかりませんし、リスクやバッファをどの程度見込むなどの知識も皆無だったので、結果出来上がった見積はかなり小さいものになり、プロジェクトとしては大失敗。この時は、向いてないからだと真剣に悩みました。
その時の現場の状況について詳しくは以下をご覧ください。

ひたすら叱られ続けた時
これは転職した直後の話が元になりますが、やることなすこと全て否定されて、自分が本当にこの仕事に向いていないのだと思いました。
その現場に入った当初、キャリアでいうと5年目でしたが、オンラインとバッチのどっちが得意かを聞かれた時によくわからなくて、適当に答えて後でなんでそんなことも知らないのかと怒られたりしました。
知らないことが悪という風に毎日怒られていたので、知らない自分がダメだと責めることしかできませんでした。
この時が一番向いていないのでは?と思った気がします。
その現場の詳細は以下をご覧ください。

私が考える向いていないと思いがちな理由
私のキャリアをベースに向いていないと思った時のことを書いてきましたが、同じように考えた方はいらっしゃったでしょうか。
同じように考えた方もそうでない方もいらっしゃったかと思いますが、向いていないと考えた方には当てはまった(かすった)ものがあったかもしれません。
ここでは私の考える、システムエンジニアの仕事をしていて、向いていないと思いがちな理由を書いてみたいと思います。それは以下の3つになります。
- 仕事の種類が多すぎる
- 一般的に最新技術を追い続けないといけないという風習
- 完全にスキルマッチができない状況
ひとつひとつ解説します。
仕事の種類が多すぎる

これは一番分かり易いと思います。
システムエンジニアの仕事は技術スキルだけでも
- 数多くのプログラム言語
- サーバーなどのハードウェアの知識
- ソフトウェア(OS,ミドルウェア(データベースなど)の知識
- ネットワークやセキュリティの知識
これに加えて
- 設計書を書くためのドキュメント力
- プロジェクトやチームで仕事をするためのコミュニケーション能力(マネジメント力)
別にこれをすべて網羅的に覚える必要はないのですが、自分のスキルの棚卸をあまりやらずにいたりすると、行った現場によって、自分の知らない知識が多く出てきて、自分はスキルが足りないのでは?と思いがちになります。
一般的に最新技術を追い続けないといけないという風習

これはこの業界の悪しき風習だと思いますが、基本的に新しい技術を追えと言われます。
もちろん新しい技術を習得することは大事なのですが、現在の自分の仕事、職種によってそれが全てではない場合が多かったりします。
今の職場であるデータベースを使用していて、世の中的に別の新しいデータベースが出てきたとします。
その際にそのデータベースの勉強をするに越したことはないのですが、仕事の忙しさや、その職場で勉強しなければならないことが多いと、中々そこまで手が出せません。
会社からは勉強せい!と言われるかもしれませんが、ケースバイケースだと私は思います。
ここで問題になるのは、最新の技術を知らないことが向いてないことにはならないということです。
それ以外でいくらでも仕事をすることは可能だからです。
もちろん自分が興味を持って取り組めるものがあるのであれば、積極的に勉強することをおススメするのは言うまでもありません。
完全にスキルマッチができない状況

世の中で盛んに言われていますが、現在IT技術者の人手不足はかなり酷い状況です。
私もチームをまとめる立場で新しい人を入れるなどの面談なども担当しているのでわかるのですが、希望する技術者がまぁ出てきません。
上にも書きましたが、スキル領域が広く種類が多いこともあり、スキルが完全に一致すること自体がまれです。
プログラム言語でも希望の言語の人がおらず、近しい言語の知識があればと妥協することも多いです。
それの逆を考えてばわかるのですが、自分のスキルと完全に一致していない職場に行かされることが多く、行った先の職場でプログラムなどの技術スキルを学習することが多くなります。
しかも年代が進んでいくと学習という時間がもらえなくなることが多く、スキルアンマッチでもできると扱われて、追い詰められることもあります。
これによって、スキルアンマッチなのに向いていないと考えてしまう人がいるのも事実です。(というか私はこれで自分を思いっきり責めてダメ出しして、向いていないと思った過去があります。)
向いていないと思った時の対処法
ここで私の体験したことも含めて向いていないと思った場合の対処法を書いていこうと思います。
ちょっとお試しで今流行りのChatGPTに質問した回答も載せておきます。
解決策をChatGPTで聞いてみた

今流行りのChatGPTに以下のように質問してみました。
20年以上システムエンジニアをやっていて向いていないと感じた時の解決策は?
その答えは、以下の通りでした。
- キャリアコンサルタントに相談する:自分が何をしたいのかわからない場合や、適職を見つけるためのアドバイスが欲しい場合は、キャリアコンサルタントに相談することも良いでしょう。 、適切なキャリアパスを提案してくれます。
- スキルセットを見直す:自分が持っているスキルセットを見直し、今後のキャリアに必要なスキルや知識を習得することを検討することも良いでしょう。 、より上位の地位に就くことができるかもしれません。
- 別の業界や分野に転身する:自分が興味を持つ別の業界や分野に転身することも一つの解決策です。パスを切り開くことができるでしょう。
- 休暇を取る:長年そう言うことが同じ仕事をしてきた場合、心身ともに疲れている可能性があります。休暇を取り、リフレッシュすることで、自分が本当にやりたいことや、今後のキャリアについて考える時間が取れますます。
- 職場環境を変える:職場環境がストレスや不満の原因になっている場合は、職場を変えることも検討してみましょう。同じ分野であっても、別の会社で働くことで新しい刺激を得ることができます。
ついでに20年というキャリアのことを入れずに質問すると、以下のような回答でした。
- システムエンジニアとして働くことが本当に自分に合っていないのか、別の問題があるのか、自分が持っているスキルを活かす新しい方法があるのかを考えてみることが大切です。
- 別のキャリアを探す:自分が興味のある分野スキルやを活かせる別のキャリアを探すことも一つの解決策です。 転職するために必要なスキルや資格を取得することが必要になるかもしれませんん。
- キャリアコンサルタントに相談する:自分が何をしたいのかわからない場合や、適職を見つけるためのアドバイスが欲しい場合は、キャリアコンサルタントに相談することも良いでしょう。 、適切なキャリアパスを提案してくれます。
- キャリアチェンジを行う:もし自分が本当にシステムエンジニアに向いていないと判断した場合は、違う代わりに転職することも検討してみると良いでしょう。が必要になるかもしれませんが、新しいキャリアで自分自身を発見することもできるでしょう。
- プログラミングやネットワーク管理など、必要なスキルを磨く予定で、自分がやりたいことに接近できることがあるかもしれません。
内容の違いとしては、スキルを得ることを言われるかどうかというくらいでしたね。
20年システムエンジニアをやってきた私の解決策

上記のChatGPTの回答を読んでみて、まぁ間違ってはいませんが、少し考え方が違ったのでここで書こうと思います。これは主に私のようなシステムエンジニアとしてキャリアが長い人に向けてになるので、若い方に対しては参考になるものが少ないかもしれないということをご了承ください。
若いうちであれば職業自体を変えることは選択肢に入ってくると思います。ただ、20年近くキャリアを積んた後に他業種に行くというのは並大抵のことではありません。
新しい業種の選び方としては、少し知っていることなどを選ぶとは思いますが、人生の半分近くを費やした仕事を捨ててまで行くのは、その後の努力も並大抵でないことは想像できると思います。
新しい技術を覚えるというのも、ベテランだからといってしなくていいわけではありませんが、キャリアを変えるほどのものを覚えるというのは、このタイミングでは難しいのではないかと思います。
もちろん50歳くらいで人生100年時代だと考えれば、業種の変更や新しい技術の習得というのも不可能ではありません。他業種についても副業で実施していたとかであれば、やれてしまうのかもと思います。
ただ、言い方が卑屈になりますが、その辺り優秀な方であればやってしまうのかもしれませんが、私のように学歴も平凡な人間には、そんな大それたことがなかなかイメージできないので、じゃあ、今の仕事のままでどうするかを考えることをしています。
冒頭に書きましたが、今ではそれほど向いていないと思うことはなくなりましたので、その考え方、動き方を解決策として記載しようと思います。
- 自分の強みの棚卸を実施する
- 職場の異動を願い出る
- 転職を考える
一つずつ解説します。
自分の強みの棚卸を実施する

これ、当たり前と思われる方が多いかもしれませんが、とても重要なことです。
今まで仕事をしてきて小さなことでもうまくいったことが一つはあると思います。
そういうことを含めて自分が何が得意で、強みとして何があるのかを書き出してみてください。
プログラミング言語、ミドルウェア、使ってたOS、データベース、オンライン、バッチなど技術スキルを並べてみるのもいいですし、1対1、少人数のコミュニケーションだとうまくいく、大人数の中で調整するのが好き、ドキュメントでもこういう資料を作成するのが得意など、技術だけにこだわらず自分が好きだったり、楽にできたり、意識しないでもできたり、人からよく頼まれることなどを何も考えずに書き出してみてください。
書き出した上で、それを繋げてみることも大事です。こういうシステムの資料を作るのが得意や、こういう会議の仕方が好きなどです。
それらを自分が実際にやっている姿を想像して、ワクワクするものを探してみてください。
私もそうでしたが、そういう要素がある仕事をしていると、とても楽しく、苦にならないことが多いです。
そのまとめをまずは第一歩として実施します。
このキャリアのまとめをする上でキャリアコンサルタントの力を借りるのも1つの方法だとは思います。
職場の異動を願い出る

今の職場が自分に合っていないということで、異動を願い出ることはよくあることだと思います。
ただ、はっきりわからないけどその職場に居るとうまくいかない、精神的につらいからと異動を願い出て、次の職場に行くと、同じようにうまくいかないことも多かったりします。
なぜなら、あまり突き詰められていない自分の得意な部分が、異動を願い出た上司にはあまり伝わらずに次の異動先を探されてしまったりするので、同じような職場になることが多いからです。
上で書いた自分の強みの棚卸しがしっかりできていると、こういう仕事がしたいということが明確に言えるので、そのことが上司にも伝わり、探す職場の範囲が変わることがあります。
ただ、現在IT業界は深刻な人で不足であるため、完全なスキルマッチにはならない可能性が高いことは上でも書きました。
それでも、自分の強み、得意なこと、楽しいことがいくつか入っているだけで、向いていないと思うことも減っていくと思います。しかもその強みを強化していけるので、ずいぶんと楽になるのではないでしょうか。
転職を考える

改めて自分の強みなどを棚卸しして、現在の職場が合っていないことを認識し、異動を願い出たとします。
それでも異動先が自分の望むようなものでない場合可能性は低くはありません。
その場合に初めて考えるのが転職だと思います。
どういうことかというと、自分の積んできたキャリアでこの年齢になった時、今の会社で自分の強みを生かせる職場がない可能性があるということです。
元々持っている強みは、個人が好きで積み上げてきたものでもあります。
それは若い時に使っている分には問題なく力を発揮できたものかもしれません。
でもある程度の年代になって、若手と同じ仕事をさせてもらえないということは普通にあります。
私も本当はものづくりをしたいです。プログラミングもわかりさえすればやることにワクワクします。
でも50歳近くなった今では、チームの管理と顧客との調整が主な仕事になり、特に得意な技術のところだけ少し作業をするというような仕事の仕方になっています。
このように仕事のスタイルが変化していく中で自分の強みを使いたくても、ベテランになった時点でその強みの活かしどころが減ってしまう会社もあるのです。
システムエンジニアの仕事はトップダウンで仕事が降りてきます。そのどのポジションにあるかで強みの活かし方が違ったりします。
それを冷静に見て、自分の強みが今の年齢だと生かせないということであれば、他の会社でその強みを生かすというのはとても有用だと思うのです。
もちろん仕事をいろいろ覚えて強みを変えていくことも大事だとは思います。ただ、それができないからとすぐに向いていないと考えるのではなく、合っていないだけという視点を持ってもいいのではと思います。
この観点で今の現状を見てから転職を考えてもいいのではないでしょうか。
まとめ
いろいろ書いてきましたが、自分が何が強い、好き、楽しいと明確に言える人って、それほど多くないように思います。
その状況で仕事の種類が多く、スキルアンマッチな職場に行くことも多い、この仕事で向いていないと思う方向に自分で持って行っている可能性があるのかなと思います。
私のように長年システムエンジニアをやってこれたのであれば、何かしら仕事ができるネタを持っているはずです。
こういった中、私はコミュニケーションとUNIXとデータベースの知識を軸に得意なところの仕事をメインに苦手なところを周りの力を借りて仕事をしています。
上で書いた自分の強みの棚卸しまでで仕事ができている状況ではあるわけです。
今システムエンジニアをやっている方で、同じような悩みをお持ちの方は、一旦棚卸しをしてみましょう。
その上で次を考えることをおススメします。
それでも同じようにうまくいかない現実になるという方は、無意識の認知でその現実を引き起こしている可能性があります。

私もそういうことがありました。その認知を知ったことでうつ病からも回復できたので、詳しくは別の記事で書きたいと思います。
今回はここまでで。ここまでお読みいただきましてありがとうございました。
向いていないと思う方が少しでも前向きに仕事ができることを祈っています。