HSPベテランSEの生存戦略:週末の「脳内リファクタリング」が月曜日からの消耗を防ぐ

※この記事は個人の体験と知見に基づいています。
医療的な助言ではないこと、また成果を保証するものではありません。            
免責事項の全文はこちらをご参照ください。

目次

1. 週末のルーティンを襲った「違和感」

週末、趣味のブログを書こうとPCに向かっても、どうしても集中できないことはありませんか?

「今日は休む日だ」と決めているのに、頭の片隅には現在のプロジェクトの懸念点や、先週起きたトラブルのログが残り続けている。

「せっかくの休みなのに、なぜ今さら仕事のことを?」 そう自分に問いかけても、脳は頑なに「仕事の整理タスク」を最前面に置き続けていた。

作業をお願いしたメンバーが思うように動かず、その報告を来週に控え、どういう風に報告しようかと頭の中で材料を集めている自分がいる。

顧客からツッコミを受けた時に、それをうまくかわすには、材料がいる。それを可能な限り想定して、リスクの芽を潰して今まで仕事をしてきた。

細かすぎると言われたこともあったが、そうすることで顧客からの信頼を損ねることなく、プロジェクトを運営してきた自負もある。

最近では、そこまで詳細な情報収集をしなくても、乗り切れることも多いが、時に情報収集と自分の中での構成が必要な時が出てくる。この予感は経験がものをいうのだと思うが、妙な不安感にかられて、頭の中がそのことで満たされていくのがわかった。

特にHSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)の傾向があるエンジニアにとって、こうした「未整理のノイズ」は、放置しておくだけで脳のメモリをじわじわと消費し、深刻な疲弊を招く原因となる。

2.脳が求めていたのは、安心のための「リファクタリング」

なぜこれほどまでに仕事のことが頭を離れないのか。それは、脳が「このままでは来週のパフォーマンスに支障が出る」というアラートを出しているからだ。

エンジニアリングの世界でも、スパゲッティコードのまま機能追加をすれば、いずれ破綻する。私たちの脳も同じだ。「顧客の信頼を守るための材料」が頭の中に散乱している状態では、創造的な活動(執筆など)にリソースを割くことができない。

この時、脳が求めているのは「休養」ではなく、現状を整理し、構造化する「リファクタリング」なのだ。この衝動は、逃げや罪悪感ではなく、プロとして次に進むための「生存戦略」なのだと思う。

なぜ、細かすぎると言われるまで調査してしまうのか? それは、一つのリスクの裏にある10の可能性が、経験的に見えてしまうから。これは『予感』ではなく、脳内での高速シミュレーションの結果だと思う。

現在、オンラインでの会議が多く、会議でも人の顔を見ないビデオオフで実施することが大半なので、そこまで感じることなくなってしまっているが、過去の経験上、同じ会議に出ての表情や声のトーンでいろいろ気づくところが、HSP気質の私としては多い。

それを長い経験の中で感じ続け、その時に対応を怠った部分でクレームを受けたり、後の対応でつらい思いをした経験が積み上がっていった結果、オンラインでも声のトーンでも、リスクがありそうなことがわかるようになった。

その結果、そういうリスクへの気づきは増えていき、ある程度溜まって、リスクがトラブルに発展する前に、準備をし始めるようになった。

そして、それが増えていくことで、休日のちょっと落ち着いた時にその対策を考えないといけないという思考が頭を占有していき、そのリスクを回避し、安心を得るための「リファクタリング」を無意識に求めた結果だと思っている。

3.1時間の集中が生んだ「霧晴れ」

では、具体的に私はどのような「リファクタリング」を行ったのか。 誘惑に抗うのをやめ、1時間だけと決めて現状の棚卸しに没頭した。(休日に何しているんだろうと我ながら思うが、これが今の自分には必要だった)

  • メンバーへの指示の出し方の再構築
  • 顧客への報告シナリオの構造化
  • 経験則からくる「妙な不安」の言語化

とりあえず頭だけで考えていたことを、EXCELに書き出した。どんなことに不安を覚えているのか、いつもだと頭の中にとどめているのだが、一旦何も考えずに全てを書き出す。

そうすることで、自分自身でもどこに不安があったのかが明確になる。書いていくうちに、思ってもみなかったところに不安があることがわかり、次に繋がる気付きにもなった。

この書き出したものをベースに、ちょっと自分だけでは深堀りできない部分をAIに投げ、気付きのヒントをもらう。

このことで、より精度の高い気付きを得て、リスク対応での新たな視点を得ることもできたと思う。

たまになんだそれ?という回答が来ることもあり、イラッとすることもあるが、そこはこちらが渡したプロンプトが悪いのか、何か精度を上げる方法があるかは、今後の課題となっている。

そんな感じで、これらをテキストとして書き出し、構造化していく。すると、不思議なことが起きた。

1時間の作業を終えた瞬間、脳内の「曇り」がスッと晴れたのだ。「やらなければならないこと」を外出しして整理したことで、ようやく「やりたいこと」のためのリソースが解放された。

書き出して、整理してみてわかったのは、ここまでリスクに対して不安に思っていたことがあったら、それ以外のことに頭が使えるわけがなかったということだ。

結局、あのまま無理にブログやnoteの執筆を続けていても、質の高いアウトプットは出せなかっただろうと思う。

4.結論:ベテランエンジニアの「心のリセット術」

長くこの業界で働いてきたが、公私を完全に切り離すことだけが正解ではないと改めて感じた。

特に、会議での声のトーン一つからリスクを察知してしまうようなHSP気質のベテランにとって、その「予感」を無視して休日を過ごすことは、バックグラウンドで高負荷なプロセスが走り続けているようなものだ。

以前の自分なら、休日にExcelを開く自分を「仕事人間」だと否定していたかもしれない。しかし、今の私は違う。この1時間の「脳内リファクタリング」こそが、自分自身をすり減らさないための、極めて前向きなメンテナンスなのだ。

また、AIという「壁打ち相手」の存在はとても有意義で面白いと感じる。

精度の低い回答(どこへ行ってしまうのかと困惑するような回答も含め)にイラッとさせられることもあるが、それすらも「自分の思考を外に引き出す」ためのトリガーになる。

これまでは、休日は当然のことながら、職場のメンバーに相談することなんてできない。そのため思考が停滞することもあった。

しかし、AIという存在によって、一人で悩み続けるのではなく、不完全なツールであっても外部に頼ることで、脳のメモリを強制的に解放することができる仲間ができた感覚がある。

この「抱え込まない仕組み」を作ること自体が、キャリアを長く続けるためのエンジニアリングだと思う。(もっと昔からあれば、と思わずにはいられないが)

脳は、未解決の巨大な課題を抱えたままでは、純粋な創造性を発揮できない。

週末に少しだけ自分の「不安」と向き合い、構造化してあげること。それは自分を追い込む行為ではなく、明日を身軽に迎え、そして今この瞬間を全力で楽しむための「儀式」なのだ。

書き出して、整理してみて、ようやくわかった。 ここまでリスクに対して不安を抱えていたのなら、ブログの言葉が出てこないのも当然だったのだ。

今、私の脳内メモリは完全にクリア(解放)された。 不安を全て書き出したExcelを閉じてた私のCPUは100%「自分自身」のために使える状態にある。

今までこういう不安が残った状態だと、ブログなどの執筆だけではなく、趣味にしているジムでのスタジオプログラムなどにもノイズが入り、気持ちよく楽しめなかった。

脳をリファクタリングし、こうして文章としてアウトプットしきったからこそ、私は一点の曇りもない爽快感とともに、趣味の世界へと没入できるのだ。

これこそが、私が提唱したい「非消耗型キャリア」の週末の過ごし方である。

この記事を書いた人
たなやん
  • システムエンジニア歴20年以上
  • 2年でうつ病を完全寛解
  • 現在はうつ病以前よりメンタルを楽に仕事に従事中
  • HSP気質を持つもそれも力に!
  • 心理学系講座講師

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