HSP気質がシステムエンジニアに向いていること向いていないこと、その対策法

HSP気質なんだけど、システムエンジニアってできる?

そんな疑問にお答えします。

HSPとはHighly Sensitive Personの略で、「人一倍繊細な人」の意味です。これはHSP研究の第一人者である心理学者のエレイン・アーロン博士によって付けられた人の気質を表す名称です。

HSP、俗にいう繊細さんですが、世の中の5人に1人はHSPであると言われています。

この気質を持っている人は職場や家庭などの生活の中で気疲れしやすく、生きづらいと感じている人が多いです。

かくいう私もHSP気質を持っており、そのせいでいろいろと苦労もしてきました。

このことが私をうつ病にさせた要因の1つであると考えているので、私なりの対処法をお伝えしようと思います。

HSP気質はシステムエンジニアに向いていないと聞くことがありますが、HSP気質ながら20年以上システムエンジニアをやっている私の経験、あとで気づいたことを含めてお伝えします。

この記事を読んでわかること

  • HSP(繊細さん)って何?
  • HSPの人はシステムエンジニアに向いているのか?
  • システムエンジニアの仕事でのHSP対処法
目次

HSP(繊細さん)の特徴

HSP(繊細さん)には特徴があり、まずはどういうものかを知っていただきたいと思います。

特徴としては以下のようなものがあります。当てはまるものはありますか?

あーわかるなーと思ったあなた、私と同じHSPかもしれません。

  • 席の近くで言い合いをしているのが気になる
  • 職場などで機嫌が悪い人がいると気になる
  • 人ごみに長時間いると疲れてしまう
  • 気圧の変化にも敏感で気圧が下がると頭痛を起こしたりする

HSPは治らない!

いきなり何を言い出すのかと思うかもしれませんが、過去の私はHSPは病気と同じで治るものと勘違いしていました。

そもそもその周囲に敏感であることが気質ということもわからず、自分の気の持ちようだと思い、それが改善されないのは自分が悪いと自分を責めて、余計なメンタルへのダメージを受けていました。

よくうつ病とHSPが比べられることがありますが、うつ病は病気で治るもの、HSPは気質で治らないものということになります。

この違いは大きいです。まずはこのことをしっかり認識してください。

HSPはうつ病になりやすい?

これは事実だと思います。いくつかの書籍にも以下の理由からうつ病になりやすい傾向にあると書かれていますし、私自身以下のようなことがすべて当てはまります。(特に1.)

HSP気質がシステムエンジニアに向いていない点

私が思う向いていないと思われる点は以下です。

  • システムエンジニアの仕事が多岐に渡り、マルチタスクになりやすい
  • 多くの人とコミュニケーションを取る必要がある
  • 異動が多い
  • 残業が多い

一つずつ説明します。

システムエンジニアの仕事が多岐に渡り、マルチタスクになりやすい

HSP気質の人は1つのことに集中するのが得意な性質があります。

このことから一人で1つのことをやっている期間は心地よく、この仕事楽しいと思える時間だったりします。

ただ、この時間が少ない、もしくはないことが多いです。

そしてシステムエンジニアの仕事は多岐に渡り、それを同時進行的に行う必要がある時も多いです。

1つの進行しているプロジェクトであれば、設計→開発(プログラミング)→テスト→リリースという流れで仕事をするので、まだましなのかもしれません。

ただ、リリース後の運用フェーズになると、設計しながら開発し、その最中に問い合わせを受けて調査をし、加えて立場が少し上がると意思決定もするというマルチタスクを実施しなければならなくなります。

これがキツい!

刺激が四方八方から与えられ、同時にいろいろなことを考えなければならないため、下手をすると午前中で疲れ切ってしまうこともあります。

こういう仕事の性質から見て、向いていないと点と言えると思います。

多くの人とコミュニケーションを取る必要がある

今ではあまりそういう認識をされていないかもしれませんが、システムエンジニアの仕事=プログラミングであまりコミュニケーションを取る必要がないと思われていました。

プログラミングのみを実施するコーダーという職種についてのみ、仕様(どういうものを作るか)を伝える人(設計者)以外とのコミュニケーションを取らなくていい可能性がありますが、そういう仕事の仕方はシステムエンジニアではまれです。

システムエンジニアの仕事はプログラムを組んでいる期間より設計書を作成する、出来上がったプログラムをテストする期間の方が圧倒的に長いです。

そして、設計期間は特に打ち合わせが多く、テストの期間では場合によって自分の所属しているチームとは別のチームの人などとのコミュニケーションを取って、作業を進める必要があります。

結果的にいろいろな人とのコミュニケーションを求められます。

それ以外でもチームのリーダー、マネージャーなどになると意思決定や確認を求められることが増え、一度に複数の人から、これはどうしますか?これできますか?etc…etc…と言われることがあり、あまりに集中すると、上記のマルチタスクの状態になりパニックになることがあります。

こういう多数の人とのコミュニケーションを連日、連続で行うことは苦手な人には苦痛に感じることもあることから向いていないと言えるのではないでしょうか。

異動が多い

システムエンジニアの仕事は、社内SEでずっと自社にいる場合を除いて、顧客先に出て仕事をすることが多いです。

顧客先に出て仕事をしていても、そこにずっといることはまれで、会社の方針(いろんな技術に触れるなど)で定期的に異動させられることが多いです。

ということは、その都度、新しい環境に変わって、職場、そこにいる人たちに慣れる必要があります。

自分の異動が多いということが、他から異動してくることも多いということになります。

なので、自分が異動しなくても新しいメンバーとのコミュニケーションが求められることになるので、その都度気を使って疲れてしまうことも多いと思います。

これらのことはHSPの人のエネルギーを奪うことになるので、その点では向いていないということになるかと思います。

残業が多い

HSP気質の人は普通の人より情報の取得量が多い分疲れやすいです。

そのためストレスを感じやすく長時間作業することには向いていません。

下手に集中力が高いことがあり、集中して作業をして、加えて残業が増えていくと疲労が溜まっていきます。

かなりホワイトな企業であれば、残業が数時間という会社もあるかもしれません。

ただそれは少数だと思います。残業になるであろう理由は以下の通りです。

  • 短納期
  • 少ない要員数(人手不足)
  • 全員が完全にスキルマッチになることができないことが大半
  • チームで仕事をするので出来る人、出来ない人で作業を分け合う必要がある

で作業を実施するので、どこかで無理が出て残業になることが多いです。

残業になるということは、切羽詰まった状況のことも多いことから、余計にいろいろ考えなければならなかったり、神経を使うことが増えるので、精神的疲弊をする可能性が高まります。

このことはHSPにとって対処なしには厳しい状況です。

そういう意味で残業が多いシステムエンジニアの仕事は向いていないといえます。

HSP気質がシステムエンジニアに向いている点

では逆に向いている点なんでしょうか。それは以下です。

  • 細かい注意力が必要な仕事が多い
  • 一つのことに集中するのが得意
  • うまくやればコミュニケーションを取ることが得意

こちらも一つずつ説明します。

細かい注意力が必要な仕事が多い

システムエンジニアの仕事は細かい点に気を使わなければならないことが多いです。

プログラムを組んで、その不具合(バグ)を見つける際に細かいところまで見る必要があります。

特にテストを実施する際、テストケースを作成するときなどは、これって大丈夫かな?と見落としがちなケースを拾うことができたりします。

あと、リリースに向けて手順を考えたりする際、こういうパターンはどうなるのかな?より細かく手順や状況を把握することができることが多いです。(完璧に拾えるわけではありませんw)

これは作業を振っている側からするととても助かる能力です。

ただ、1点注意点があります。

せっかく気づいたのに、HSPの自己肯定感の低さから、それを言わない人がいます。(私も過去そうでした。)

これは私のことですが、自分に自信がないので、バグに気づいた際、言うことで自分が怒られると思い、言えないということが結構ありました。

ただ、これは間違いで問題は後になればなるほど大きくなります。どんなタイミングでも気づいたこと(それがミスであったとしても)伝えることが大事です。それで信頼を得られるメリットの方が大きいです。

こういう点に気づけることは向いている点だと思います。

一つのことに集中するのが得意

向いていない点でも記載しましたが、HSPの特性として、一つのことに集中することが得意なことが多いです。

なので設計書の作成やプログラミング、一人で実施するテストについて、時間を渡されれば長い時間集中して実施することができます。

周りからの雑音が少なければ余計に集中して作業に取り組めます。

ものづくりを楽しんで行えることが多いため、私の場合、過去普通のプロジェクトに参画していてプログラムを組んでいるときは会社に行くのが楽しくて仕方がありませんでした。

当時は在宅などまったくなかった時代ですが、今のように在宅できる環境であれば、ずっと作業していたかもしれません。

そういう意味で、HSP気質はシステムエンジニアに向いていると思います。

うまくやればコミュニケーションを取ることが得意

向いていない点で、コミュニケーションについて向いていないことを書きましたが、うまくやれば向いていることに変換できます。

HSPは相手の小さな変化に敏感気づいたり、周りの空気を読むことが得意なことが多いです。

なので人によるとは思いますが、初対面の人と打ち解けるのは早いと思います。

それはしょっちゅう入れ替わり立ち代わりとなると疲弊してしまいましすが、そうでなければコミュニケーションを取ることは向いている側に入ります。

少数の人かつ少ない機会であれば、十分コミュニケーションが取れる気質であるので、システムエンジニアの仕事は十分できると思います。

以上のことから向いている点と言えると思います。

HSP気質の人がシステムエンジニアをする上での注意点と対策

上記でどういう点で向いている、向いていないかがわかったかと思います。

向いている点を生かしつつ、向いていない点を対策すれば十分システムエンジニアの仕事はできると思います。

気質だけで向いていないと決めつけてしまうのはもったいないですし、私自身HSP気質ではありますが、普通に仕事ができています。

ここでは、私が実際に実施したり、考えたりしたそれぞれの向いていない部分への対策を紹介したいと思います。

マルチタスク対策

HSPはマルチタスクをしようとするとパニックになると書きました。私が考えるのは以下2つです。

タスクを紙に書き出す

当たり前かと思われますが、これは結構強力です。

リスト化して、終わったらチェックを入れるようにするのがいいです。

頭の中で考えるとまとまらなくなります。

ただでさえマルチタスクが苦手なのに、次にこれやって、その後これやってみたいなことを頭の中で実施するとどれが終わったかわからず、不安も増大し、余計にパニックになります。

私はノートの取り方としてバレットジャーナルを採用しています。

これで日々のタスクを書き出し、終わらなかったものは次の日に移動するなどタスク管理ができています。

これで書き出したタスクたちが設定した期限で終わるのかのジャッジすることも可能になり、それを基に次の対策であるチームメンバーにお任せする材料にできると思います。

チームメンバーを頼る

これはHSP気質の人に多いと思いますが、頼ることが苦手な人が多いと思います。

私も自分の作業は他人に頼るべきではないと思っていました。なので、残業が増え、精神的に追い詰められることも多かったです。

ただ、タスクをまとめて明らかに自分ではできないことを他人に頼るには普通のことです。

これで受け取れる場合なのに。受け取ってくれないことの方が普通ではありません。

一旦自分の作業をまとめる必要がありますが、1対1のコミュニケーションがある程度得意なHSP気質の人の強みを生かして、会話をして、作業を受け取ってもらうようにしましょう。

情報過多で疲れることへの対策

HSPは日々たくさんの情報を自動的に受け取ってしまいます。

それで疲弊してしまうことを対策すれば、問題なく仕事ができます。

私がおススメする対策法は以下になります。

定期的に休憩を取る

これはHSPの人は作業に集中すると結構長い時間作業をしてしまいがちです。

なので意識的に休憩を取るようにしてください。

席を立つ、1分間だけ目を瞑るなどです。

一人になる時間がとても有効であるので、トイレの個室に入って休むというのも1つの手ではあります。

ただ1つ注意点としては、トイレの個室でスマホを見るのは控えるべきだということです。

スマホからはいろいろな情報を受け取ってしまうので、休憩になりません。

特にシステムエンジニアはただでさえ、ずっと画面を見て作業をしています。

その休憩時間にも情報を得るのはやめて、1分間でも目を瞑って情報を遮断することが大事です。

これを定期的に実施するだけで、余計に情報を得て疲れてしまうHSPの人でも、より長時間仕事をすることができると思います。

昼休みは可能な限り情報を遮断する

定期的な休憩を取ることと合わせて実施することになりますが、昼休みの時間の使い方①です。

昼休みは通常1時間程度もらって、ランチ+休憩という形になると思います。

その時にいろいろな人と会話したり、スマホをずっと見て情報収集や娯楽に勤しんでいる人がいますが、あまりおススメしません。

理由は定期的に休憩と取るところでもいいましたが、HSPでない人に比べて情報の受け取りが過多であるHSPが自分を少しでも休ませて、集中力を保つためです。

昼休みは情報を遮断する意味でも、音楽を聴く、いっそのこと寝てしまうことをおススメします。

そうすることで、情報の波に流されることをリセットでき、気分がすっきりすると思います。

寝る前はスマホを見ないようにする

これは次の日の仕事に関係することで、ここまで書いてきたように情報過多を防ぐということと、睡眠の質を上げるための行為です。

HSPとは関係ないと思われるかもしれませんが、ただでさえ寝る前のスマホは睡眠の質を下げてしまうのに、勝手に情報をより多く得てしまうHSPにはより悪いことになります。

その日の疲れを取るため、次の日の仕事をよりよくするために、少しの時間、寝る前のスマホ、我慢してみませんか?

これをするだけで、朝の目覚めと疲労感がだいぶ違うと思います。

読書をする

この項目はおまけになりますが、私にとって役に立ったものなので紹介します。

さて、ここまで書いてきたことと、言ってることが違うじゃないか?と思われるかもしれません。

これは私の実体験ですが、読書はストレス解消にはとてもいいです。

情報は得ることになりますが、仕事とは関係ない本を読むことで気分転換になります。

過去、昼休みの1時間の間で本を1冊もしくは2冊読んでいた時期がありました。

やり方は、過去に習ったレゾナンス・リーディングという読書術を使っての実施で、1冊15分~20分で読むことができるので、昼休みの1時間を弁当10分、読書1冊20分×2冊で40分、残り10分を休憩という感じで過ごしました。

仕事と関係ない本なので、下手に仕事のことを考えなくて済み、頭をからっぽにして集中できました。

あとは自己肯定感が低くなりがちなHSPにとって、これだけ本を読めるということで自己肯定感を上げることができるというのも、HSPの弱点を克服しながらシステムエンジニアができることに繋がると思います。

残業・異動対策

上でも書きましたが、システムエンジニアに残業と異動はつきものです。

この残業と異動の回避としての対策は、転職くらいしかありません。

ただよく言われる社内SEになるという選択肢は、割と狭き門であるためうまくいくとは限りません。

社内SEになって異動はしなくなったけど、残業は変わらないということもあると思います。

なので、自分でできる対策を以下に書きたいと思います。

自分でできる残業対策

これはHSP気質の人に多いというだけで、全員の対策にならないかもしれません。

ただ、私を含めてHSP気質の人の特性として自己肯定感が低く自信がないことが多いため、自分で作業を抱え込んでしまうことが多いです。

他人にHELPを求めることをしなかったり、作業を追加で頼まれた時に断れなかったり。

ただ、こういう行為が自分を苦しめ、残業を増やす結果になります。

ここでの対策としては、タスクを紙に書き出すで少し書きましたが、書き出したタスクをまとめて、それを見せながらチームメンバーに協力を仰ぐというものです。

なんの材料もないと正直協力を仰ぐこと自体できないことが多いです。

その対策のために自分の意識を変えるきっかけを作ってみてください。

根本的な無意識の認知を変えた話は別の記事でしたいと思います。

自分でできる異動対策

異動が回避できない前提での対策になります。

向いている点でも書きましたが、HSPの人はうまくやればコミュニケーション能力は高いと思っています。

それは空気、雰囲気が読めるから。

異動した時、しばらくは確かに不安だし、いろいろな情報が入ってくるのでしんどいと思います。

ただ、チーム内で1人でいいので、よく話せる人を見つけて仲良くなってください。

最初の会話で自分に合いそうな人を見つけることもできると思います。(あまりに合う人がいない職場の場合は異動が多いというデメリットを逆手に取って、異動願いを出すのもあり。)

その会話ができる人をベースに少しずつ話せる人を増やしていきます。

ただ、毎日たくさんの人と話すと疲れてしまうので、1対1を基本にしていただければと思います。

この空気が読める特性を生かして、少しのコミュニケーションを取ることに意識をおけば、異動した後もうまくやれると思います。

異動先で全員とコミュニケーションを取ろうとすることで、うまくいかなくなり、異動がつらいものと思ってしまっている方もいらっしゃると思うので、あくまでミニマムで考えていただきたいと思います。

まとめ

さて、ここまでHSP気質の人がシステムエンジニアに向いているかどうかを書いてきました。

世間一般的には向いていないという意見が多いと思うのですが、私は使い方次第だと思います。

HSPというもの自体、もって生まれたものです。

私も過去、HSP気質であることで、疲弊し、心が苦しくなる経験を散々してきました。

そして、自分を変えたい、変われるものと思って取り組んだ時期もありました。

ただ、最後の言いたいのは、HSPは気質であって変えられるものではありません。

生まれついたものだからです。

じゃあ、苦しいままなのか、システムエンジニアの仕事はできないのかというと、そういうことはないと思います。

まず、自分がHSPである自覚を持ってください。

そして変わらないものだと諦めてください。

その上で、システムエンジニアの仕事で活かせるものは最大限活かし、苦手な部分は最悪誰かに任せることを覚えていきましょう。

結論としては、HSP気質な私も20年以上システムエンジニアをやっているので、皆さんも間違いなくシステムエンジニアの仕事はできます!

ここまでお読みいただきありがとうございました!

是非、自分を知っていきながら、頑張っていきましょう!

この記事を書いた人
たなやん
  • システムエンジニア歴20年以上
  • 2年でうつ病を完全寛解
  • 現在はうつ病以前よりメンタルを楽に仕事に従事中
  • HSP気質を持つもそれも力に!
  • 心理学系講座講師

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